コロナ 免疫。 新型コロナにかからないための五カ条 免疫学の大家がお教えします(木村正人)

新型コロナ、回復後の免疫獲得はあるのか 専門家の意見 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

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新型コロナウイルスの患者が重症化するメカニズムが最近の研究で明らかになってきた。 生命を脅かす重い肺炎は、自分を守るはずの免疫が過剰に働くことで起きている可能性が判明した。 ウイルスは全身の臓器に侵入してさまざまな症状を引き起こすとみられ、詳しく解明できれば治療法の開発につながると期待される。 (松田麻希、伊藤壽一郎) 「肺炎を起こしても軽い症状で治る場合もあるが、重篤化する人もいる。 病気の仕組みがよく分かっておらず、どの人が重くなるか見極められない」 愛知医科大の森島恒雄客員教授(感染症内科学)は、治療の難しさをこう話す。 悪化する場合は非常に急激で、人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)がこれほど高い比率で必要になる病気はないという。 なぜ致死的な肺炎に至るのか。 量子科学技術研究開発機構理事長で免疫学が専門の平野俊夫氏らは、免疫がウイルスを打ち負かそうとするあまり過剰に働き、いわば暴走して炎症が広がり重篤化する可能性を突き止めた。 免疫の働きを高める「インターロイキン(IL)6」というタンパク質が体内で過剰に分泌されると、免疫細胞はウイルスに感染した細胞だけでなく、正常な細胞も攻撃してしまう。 死亡した患者はIL6の血中濃度が顕著に上昇していたとの報告もあり、重篤化の一因として指標に使える可能性がある。 感染初期は免疫力を高める必要があるが、重篤化すると逆に免疫を抑える治療が必要になるとみられる。 そこで有望視されるのが、中外製薬のIL6阻害薬「アクテムラ」だ。 関節リウマチなどに使う薬で、同社は新型コロナ向けに治験を行う。 平野氏は「新型コロナは免疫の暴走を抑えられれば怖くない病気だと思う。 治験が効果的に進むことを期待している」と話す。

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日本人は新型コロナウイルスに対して免疫を持っている可能性 低い死亡率の原因?

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point• 新型コロナウイルスに感染した日本人の免疫反応は、既に同種のウイルスに感染済みのパターンを示した• 日本人に免疫学習をさせたのは風邪コロナウイルスだった可能性がある• 感染症の発生源から遠く離れた地域の生物は、感染症に耐性がない 世界各地で感染を広げているですが、国によって感染者の増加率や死亡率に大きな差があることがわかってきました。 これらの差は国による検疫の違いの他に、ウイルスそのものが変異して引き起こされた可能性がで示唆されています。 しかし今回、東京大学などの研究者たちによって日本人の免疫反応が詳しく調べられた結果、 日本人には新型コロナウイルスに対する免疫が一部存在していることが示唆されました。 これらの免疫力は、2003年のSARS発生後もコロナウイルス(弱毒化したもの)が断続的に東アジアで発生しており、東アジア人の間に風土病として流行することで獲得されていたとのこと。 もし今回の研究結果が事実ならば、風土病となったコロナウイルスが、日本人に新型コロナウイルスと戦うための免疫学習の機会をあらかじめ与えててくれたことになり、日本における低い死亡者の説明になります。 では風邪コロナウイルスは、どのようにして日本人に免疫を与えていたのでしょうか? 即応抗体(IgM)と専門抗体(IgG) Credit: ウイルスに感染すると、人間の体はウイルスを排除するための抗体が生産されます。 私達が細菌やウイルスに感染したときに 最初に生産される抗体が「IgM抗体」で、早期対応のための幅広いウイルス認識力を持っています。 また、IgM抗体によってある程度ウイルスの認識が進むと、 対象となるウイルスの排除に特化した「IgG抗体」が作られます。 IgG抗体は感染を排除した後も残り続けるため、再度ウイルスが侵入したときに素早くIgG抗体が増殖でき、2回目の感染を防止します。 Credit: そのため、上の図のように、IgM抗体とIgG抗体のどちらが多いかを調べることで、患者が似たようなウイルスに感染した経験があるかどうかの調査が可能になります。 もし日本人が新型コロナウイルスに対して免疫力を持っていた場合、IgM抗体とIgG抗体の増加パターンは上の図の右側のように、IgG抗体の増加のほうが先に高くなるはずです。 では、実際の調査結果をみてみましょう。 日本人は新型コロナウイルスに対して免疫がある? 日本人の感染者は学習の結果である「IgG抗体」を新型コロナウイルスに対して素早く使用できた。 Zoomにて放映された資料の一部。 図が示す通り、 日本人の感染者の多くが即応型のIgM抗体より先に、学習によって生まれるIgG抗体を多く生産していました。 このことは、日本人の多くが新型コロナウイルスに対する免疫学習を、既に行っていたことを意味します。 また今回の研究では、IgM抗体の生産が緩やかな場合には、重症化しにくいことが明らかになりました。 重症化はウイルスによる直接的な細胞の破壊ではなく、免疫の過剰反応が原因として知られています。 感染の初期において、広範な影響力を持つIgM抗体よりも、専門化されたIgG抗体が多く生産されることで、免疫も過剰応答を避けることができると考えられます。 また、2003年にSARSウイルスが発生した以降も、東アジア地域では断続的にコロナウイルスの発生が続いていた可能性も言及しています。 そしてこれらの未確認のコロナウイルスが、東アジア人の多くに「先行して風邪として感染」した結果、新型コロナウイルスに対する免疫力が獲得されたと結論づけているのです。 未知の風邪コロナがワクチンになっていた可能性 検疫体制の違いだけで死亡率が116倍も開くとは考えにくい。 中国のでは、 新型コロナウイルスに感染した経歴のない人間の34%に、新型コロナウイルスを認識する抗体の生産能力があることがわかりました。 この抗体は、新型コロナウイルスが発生するより前の2015年から2018年に得られた血液サンプルにも存在しており、この抗体が新型コロナウイルス以外のウイルス(おそらく風邪コロナウイルス)によってもたらされた可能性を示唆しています。 このころから中国の研究者は、既存の風邪コロナウイルスによって新型コロナウイルスに対する免疫力が人間に付加されたと主張していました。 日本と中国の結論は多くの点で一致しており「断続的に発生する弱毒化したSARS(日本の説)」または「古くからの風邪コロナウイルス(中国の説)」といった他のコロナウイルスからの感染が、新型コロナウイルスに対する、一種のワクチンとなったとしています。 この事実は、風土病に対する一般的な認識と同様です。 すなわち、 感染症の発生地域の人間・動物・植物には、何らかの耐性があるのに対して、遠く離れた地域の生物には免疫がないとするものです。 かつてのペストのように、元々はアジアの病気であったものがヨーロッパやアメリカに広ると、被害がより大きくなる傾向があります。 国の検疫対応、変異したウイルスの型、そして今回明らかになった他のコロナウイルスによる事前の免疫学習。 新型コロナウイルスの流行の原因は様々であり、現状ではどれが決定的な原因かはわかりません。 しかしウイルスの情報が増えれば増えるほど、解決への道も開けていくでしょう。 研究内容は東京大学 先端科学技術研究センター の川村猛氏らによってまとめられ、5月15日にZOOMウェビナーで先行発表された後に、世界五大医学雑誌の一つである「The Lancet」に投稿済みです。

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新型コロナウイルス感染症と集団免疫について

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「スーパースプレッダーは無症候性感染者の可能性が高い」 [ロンドン発]中国に続いて欧州で新型コロナウイルスの感染が気付かないうちに市中に広がり、突然爆発的に患者が急増するオーバーシュート現象が起きています。 感染すると14日間以内に発症すると考えられています。 健康保菌者だった「腸チフスのメアリー」(本名・メアリー・マローン、1869~1938年)は亡くなってから解剖され初めて胆嚢に腸チフス菌の感染巣があることが分かりました。 無症状病原体保有者の中にはスーパースプレッダーが多いのでしょうか 宮坂氏「これまで、このウイルスは通常、1人の感染者が2~2. ウイルスを含んだ飛沫が長時間、空気中を浮遊しているからなのでしょうか 宮坂氏「空気感染は可能性がありますが、まだよく分かっていません。 ただ、このウイルスが飛沫、しかも微小な飛沫に付着した形で空気を漂うことはすでにアメリカの研究グループが米医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに報告していて、その濃度は1時間ぐらいで半減し、3時間ぐらいで10分の1程度までに減少するとのことです」 「つまり、驚いたことに、このウイルスは結構長く空気中を漂う可能性があるようです。 その場合、抗体を持っている人が感染者を取り囲むようにして感染の拡大を防ぐようになる集団免疫を獲得するまで流行は終息しないことを受け入れざるを得ないのでしょうか。 各国の死者累計のカーブを見ると毎日33%のペースで増えていきます。 公衆衛生的介入はやはり封じ込めと遅延・緩和を組み合わせて行うべきだと考えておられますか 宮坂氏「はい、私はワクチンがない現状では、封じ込めと遅延・緩和を目的としてもろもろの施策が必須であろうと考えています。 このことは、ワクチンがない状態だったあの中国でも、厳しい封じ込めと遅延・緩和政策をとった結果、感染者が既に激減していることからも言えると思います」 「この点、一つ注目すべきは、イギリスの政府首席科学顧問パトリック・ヴァランス氏が言っていたことに関してです。 そして中和抗体や特異的メモリーT細胞も測定することが重要です。 英国の記者会見からは開発まで18カ月ぐらいかかるという印象を受けます。 英国の場合、今夏(医療システムに余裕がある)、今冬(少しでも波が来ると医療崩壊の恐れ)、来夏までは公衆衛生的介入で何とかピークを医療資源内に抑えてしのぎ、そのあとはワクチンに期待したいという空気が強く感じられます。 ワクチンは諸刃の剣のようなところがあり、臨床試験は慎重に行われるべきなのは理解しますが、再来年まで待たなければならないと世界は非常に苦しい状況に追い込まれると思います 大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招へい教授(本人提供) 宮坂氏「ワクチンは、通常は健康な人、それも大集団の人たちに対して投与することから、もし大きな副作用があると大変なことになります」 「このことから、通常、100人程度の第一相試験で大きな問題がないか確認したあとに、数百人レベルの第二相試験を行い、安全性とワクチンの効果を確認します。 一般的には人間と共生するためにウイルスはマイルドになっていくと考えられているようですが、今後どのように変異していくと考えますか 宮坂氏「RNAウイルスは変異をしやすいので、今後、さらに新しい型のものが出てくると思います。 また、ウイルスが果たして人間と共生するためにマイルドになっていくかどうかですが、私は予測が困難だと思います」 「その例がインフルエンザです。 鳥型インフルエンザのように突如、病原性を強めたものが現れることがあります。 風邪のような症状を見せる他の4種のコロナウイルスに感染して抗体を持っていれば新型コロナウイルスに対するある程度の抵抗力を期待できるのでしょうか。 また既存のコロナウイルスのワクチンは役に立つのでしょうか 宮坂氏「鼻風邪を起こすヒトコロナウイルスが4種類ありますが、いまだにどのタイプのものにもワクチンは作られていません。 したがって、現在の問題は、この鼻風邪ウイルスに対して感染した時に、新型コロナウイルスに対する免疫を獲得するかどうか、だと思います」 「この点、これまでの報告を見ると、SARS(重症急性呼吸器症候群)から回復した患者さん由来の抗体が新型コロナウイルスに結合するというデータがありますが、結合してもウイルスを殺してくれるかが問題であり、これについてはまだ分かっていません」 「それと、いったん抗体ができたとしても、それが長く体内で残存するかが問題ですが、鼻風邪を起こすヒトコロナウイルスに関する限り、ウイルスを殺せる抗体はあまり長時間体内には残存してくれないようです。 前回はPCR検査には手間やお金がかかる上、偽陰性がでる割合が高く、スクリーニングには使えないというお話でした。 開発が進む抗体検査の方がPCR検査より期待できるのでしょうか。 また血清療法にも期待できるのでしょうか 宮坂氏「抗体検査とは、このウイルスに対する抗体の有無、あるいはその量的変化を測定する検査です。 抗体が陽性になるのは、感染してから数日以上の時間が経った人、および感染後治癒した人の両方です。 したがって、抗体検査だけでは感染の有無を決定できず、確定のためにはPCR検査が必要となります」 「ただし、インフルエンザの時に使うような迅速診断キットが出てくると、スクリーニングには便利です。 これはインフルエンザに対する抗体をブロッティングペーパーに貼付け、患者サンプルを上からかけるとインフルエンザウイルスだけがそこに付着するので、それを再度、インフルエンザ抗体を用いて検出するという方法です。 非常に安価で迅速にできるので、プライマリーのスクリーニングには便利です。 ただし、この方法も偽陽性と偽陰性があります」 「でも、安価なので何度も検査ができるというメリットがあるので、検査をくり返すことによって、ある程度、デメリットをカバーすることは可能です」 「血清療法は、同じRNAウイルスであるエボラ出血熱ウイルスで一部成功が見られているので、可能性はあります。 一つは手洗いの習慣が徹底している。 二つ目は中国のニュースに素早く反応して各個人が自衛策をとるのが早かったことがあると思います。 宮坂先生のお考えとは異なるのですが、マスクが他人に飛沫感染させるのを予防しているという面もあるのではないかと考えています 宮坂氏「私は、マスクに他人に飛沫感染をするのを防ぐ効果はある程度はあると考えています。 実際、医師は感染病棟でN95という特殊なマスクをして仕事をしていますが、これは医師が患者から感染しないこと、そして医師から患者に感染させないという二つの目的のためにです」 「一方、N95というマスクは実際にかけてみるとわかりますが、空気漏れが少ない分、30分もかけていると苦しくなって、気分が悪くなります。 それは、これまで主に呼吸器症状、発熱症状を持つ人を対象にPCR検査がされていますが、まだ陽性になる人は割合的に非常に少なく、実際には感染はあまり広がっていないと思います。 つまり、密集した場所、密閉空間、他人との近接距離を避けることが大事です」 「次に、体内時計を狂わさないこと、つまり、生活リズムを守ることです。 というのは、体を守る免疫反応だけでなく、食べる、消化すること、眠ること、すべてが体内時計によって支配されているからです。 ですから、体内時計を狂わさないことが大事なのです」 「たとえば、朝早く起きて朝陽を浴びながら散歩をすると、体内時計がうまく動き始めます。 夜、決まった時間に寝るとさらに体内時計がうまく動くようになります」 「それから、積極的に体を動かすことも大事です。 リンパ球などの免疫細胞は血液やリンパ液に乗って体内をパトロールし、異物を見つけ、排除しようとします。 体を動かすと血流、リンパ流が良くなるので、免疫力を維持できるのです」 「食べ物も大事。 程よい量で、バランスの良い食事をすることが大事です」 「最後にストレスを避けることです。 ストレスにより副腎からコルチゾールというホルモンが作られ、これにより免疫細胞の機能が低下します。 ストレスのある時に風邪を引いたり、ヘルペスになるのは、このためです」 (おわり) 宮坂昌之氏 1947年長野県生まれ、京都大学医学部卒業、オーストラリア国立大学博士課程修了、スイス・バーゼル免疫学研究所、東京都臨床医学総合研究所、1994年に大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター臓器制御学研究部教授。 医学系研究科教授、生命機能研究科兼任教授、免疫学フロンティア研究センター兼任教授を歴任。 2007~08年日本免疫学会長。 現在は免疫学フロンティア研究センター招へい教授。 新著『免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』(講談社)。

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